眼窩内腫瘍の手術方法 Fronto-zygomatic approachについて

眼窩内腫瘍を別出する場合, 腫瘍の周囲組織を可能な限り損傷することなく, 術後の眼機能に障害を残さないようにすることが必須である. このためにはmicrosurgical techniqueを用いるべきで, この際に手術器械を操作しやすい広い術野を得なければならない. 腫瘍の局在, 性状によりtransfrontal approachを必要とする場合に従来の方法では十分な剔出術が施行し得ない場合が少なくない. このような場合に筆者らはfronto-zygomatic approachを行つている. このapproachは通常のtransfrontal approachに加えて眼窩上外側縁を一た...

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Published in医療 Vol. 34; no. 3; pp. 235 - 239
Main Authors 山下, 俊紀, 小田, 正治, 藤津, 和彦, 今村, 働
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1980
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.34.235

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Summary:眼窩内腫瘍を別出する場合, 腫瘍の周囲組織を可能な限り損傷することなく, 術後の眼機能に障害を残さないようにすることが必須である. このためにはmicrosurgical techniqueを用いるべきで, この際に手術器械を操作しやすい広い術野を得なければならない. 腫瘍の局在, 性状によりtransfrontal approachを必要とする場合に従来の方法では十分な剔出術が施行し得ない場合が少なくない. このような場合に筆者らはfronto-zygomatic approachを行つている. このapproachは通常のtransfrontal approachに加えて眼窩上外側縁を一たん取り去ることにより脳の圧排をさほど要せずに前上外方より大きな術野を得ようとするもので, これにより剔出術はかなり容易に, 確実に行えるものである. 本論文では2例の手術例の実際を示説し, このapproachの手術手技を解説するとともに他のapproachと比較検討した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.34.235