島弧-大陸地殻深部現象の研究進展 超高温変成作用の精密解析

超高温変成作用は地殻内で起こりうる高温限界で生じる変成作用であり,一般に特異な鉱物共生と様々な変成ステージで形成されたシンプレクタイトなどの複雑な組織を保持する場合が多い.このような超高温変成岩の精密解析から得られる温度-圧力-時間履歴は,地殻内における物理・化学現象,ひいては地球創生期からの造山運動や大陸地殻成長プロセスの解明に重要な意味を持つ.地質学会創立100周年以降現在までの25年間において,日本の地球科学者によって多くの新たな超高温変成岩の発見とその形成過程の解析,加えて,多くの超高温実験も実施されてきた.本論では,過去25年間における日本人研究者による超高温変成岩の研究について概括...

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Published in地質学雑誌 Vol. 123; no. 10; pp. 879 - 906
Main Authors 小山内, 康人, 中野, 伸彦, 足立, 達朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 15.10.2017
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ISSN0016-7630
1349-9963
DOI10.5575/geosoc.2017.0059

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Summary:超高温変成作用は地殻内で起こりうる高温限界で生じる変成作用であり,一般に特異な鉱物共生と様々な変成ステージで形成されたシンプレクタイトなどの複雑な組織を保持する場合が多い.このような超高温変成岩の精密解析から得られる温度-圧力-時間履歴は,地殻内における物理・化学現象,ひいては地球創生期からの造山運動や大陸地殻成長プロセスの解明に重要な意味を持つ.地質学会創立100周年以降現在までの25年間において,日本の地球科学者によって多くの新たな超高温変成岩の発見とその形成過程の解析,加えて,多くの超高温実験も実施されてきた.本論では,過去25年間における日本人研究者による超高温変成岩の研究について概括し,主に著者らが行ってきた太古代末期~白亜紀における超高温変成岩体の研究と実験岩石学的研究について,新たに取得したデータを交えつつ紹介する.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.2017.0059