Pierre Robin症候群 1症例報告と統計的検討

重症心身障害児に奇形など先天異常を合併する例が多いのであるが, これら合併先天異常をとりあげて発生学的に検討することは, 重症心身障害児発生についての医学的解決の1つのいとぐちであると考える. われわれは村松晴嵐荘に収容された重症心身障害児のうちに1例の小頭症に合併したPierre Robin症候群を経験した. Pierre Robin症候群は, 小下顎症と, これに伴なう舌下垂症のために, 喘鳴, 呼吸困難および哺乳障害を呈するもので, 1923年Pierre Robinがはじめて症例報告をおこない, その後その名を冠した症候群として注目されるようになつた. ここに自験例について述べるととも...

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Published in医療 Vol. 25; no. 5; pp. 311 - 316
Main Authors 久保, 宗人, 富田, 進, 上久, 保一夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1971
医療同好会
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Summary:重症心身障害児に奇形など先天異常を合併する例が多いのであるが, これら合併先天異常をとりあげて発生学的に検討することは, 重症心身障害児発生についての医学的解決の1つのいとぐちであると考える. われわれは村松晴嵐荘に収容された重症心身障害児のうちに1例の小頭症に合併したPierre Robin症候群を経験した. Pierre Robin症候群は, 小下顎症と, これに伴なう舌下垂症のために, 喘鳴, 呼吸困難および哺乳障害を呈するもので, 1923年Pierre Robinがはじめて症例報告をおこない, その後その名を冠した症候群として注目されるようになつた. ここに自験例について述べるとともに, これまで本邦において報告された130症例について統計的検討を加えて報告する. 「症例」O. K. 1966年12月9日生れ, 3才の男児. 1969年12月16日入院. 出生時体重は3,400g. 早期破水により分娩予定日より7日早く出産.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.25.311