Flap valve VSDを有するFallot四徴症の一手術例

Fallot四徴症の3歳8ヵ月の女児に対し,術前の心エコー検査にてFlap valve VSDを認めた.また,心電図所見における著明な右室肥大所見や心臓カテーテル検査における体血圧を陵駕する右室収縮期圧,さらにはそれにもかかわらずチアノーゼをほとんど認めないという臨床像などは,いずれもFlap valve VSDを有するFallot四徴症に一致する所見であった.手術中,このFlap valveがVSDの大半を覆うように存在し,しかも,三尖弁や他の弁機能には無関与でKirklinのいうところのいわゆるFlap valve VSDであることを確認した.Flap valve VSDを有するFallo...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 18; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 松永, 仁, 岡部, 英男, 古瀬, 彰, 田中, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 1988
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.18.1

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Summary:Fallot四徴症の3歳8ヵ月の女児に対し,術前の心エコー検査にてFlap valve VSDを認めた.また,心電図所見における著明な右室肥大所見や心臓カテーテル検査における体血圧を陵駕する右室収縮期圧,さらにはそれにもかかわらずチアノーゼをほとんど認めないという臨床像などは,いずれもFlap valve VSDを有するFallot四徴症に一致する所見であった.手術中,このFlap valveがVSDの大半を覆うように存在し,しかも,三尖弁や他の弁機能には無関与でKirklinのいうところのいわゆるFlap valve VSDであることを確認した.Flap valve VSDを有するFallot四徴症は,われわれの検索しえた範囲では本邦にその報告例はなく非常にまれなものと考えられた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.18.1