星状神経節ブロック例における指尖部冷水負荷時の皮膚温変化と臨床的観察

指尖部冷水負荷時の浸水部掌側最低皮膚温 (初期最低温) は交感神経性の皮膚血管収縮機能を評価するのに有用であることを従来報告してきた. そこで冷水負荷時の皮膚温変化に対する交感神経遮断の影響をみる目的で, 星状神経節ブロックを施行した側の指を冷水に浸け, 皮膚温測定と臨床的観察を行い, 正常対照群と比較した. その結果, 星状神経節ブロック群では初期最低温が有意に高値であることと, 冷水負荷時の痛みや浸水部の皮膚発赤が弱いことを認めた. 前者は皮膚交感神経遮断により冷水負荷時の皮膚血管収縮が起こりにくくなったことに由来し, また後者は皮膚温が十分低下しなかったことにより生じた現象と考えられた....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 8; no. 6; pp. 509 - 517
Main Authors 國本, 雅也, 萬年, 徹, 鎮西, 美栄子, 鎮西, 恒雄, 芦澤, 直文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1988
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.8.509

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Summary:指尖部冷水負荷時の浸水部掌側最低皮膚温 (初期最低温) は交感神経性の皮膚血管収縮機能を評価するのに有用であることを従来報告してきた. そこで冷水負荷時の皮膚温変化に対する交感神経遮断の影響をみる目的で, 星状神経節ブロックを施行した側の指を冷水に浸け, 皮膚温測定と臨床的観察を行い, 正常対照群と比較した. その結果, 星状神経節ブロック群では初期最低温が有意に高値であることと, 冷水負荷時の痛みや浸水部の皮膚発赤が弱いことを認めた. 前者は皮膚交感神経遮断により冷水負荷時の皮膚血管収縮が起こりにくくなったことに由来し, また後者は皮膚温が十分低下しなかったことにより生じた現象と考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.8.509