最近経験した低酸素防止装置付き麻酔器のトラブル

最近低酸素防止装置が装備されている2つの機種の麻酔器で危険な故障を経験した. 1つは流量計の故障で, 笑気流量調節バルブに異物が迷入し, バルブを完全に閉めたつもりでも, 実際には間隙を生じ, 酸素を流しただけで笑気回路が開放され笑気が流れた. この麻酔器では, この種の事故においては低酸素防止装置は作動しない. もう1つは, 低酸素防止装置自体の故障で, 流量調節システムと酸素濃度調節システムの故障であった. いずれも麻酔科医が気付き大事には至らなかった. 機械を過信することなく, 麻酔科医の注意深い観察が最も重要だと思われた....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 6; no. 3; pp. 309 - 312
Main Authors 藤井, 真行, 奥秋, 晟, 佐藤, 卓志, 赤間, 洋一, 阿曽, 晶子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1986
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.6.309

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Summary:最近低酸素防止装置が装備されている2つの機種の麻酔器で危険な故障を経験した. 1つは流量計の故障で, 笑気流量調節バルブに異物が迷入し, バルブを完全に閉めたつもりでも, 実際には間隙を生じ, 酸素を流しただけで笑気回路が開放され笑気が流れた. この麻酔器では, この種の事故においては低酸素防止装置は作動しない. もう1つは, 低酸素防止装置自体の故障で, 流量調節システムと酸素濃度調節システムの故障であった. いずれも麻酔科医が気付き大事には至らなかった. 機械を過信することなく, 麻酔科医の注意深い観察が最も重要だと思われた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.6.309