高血圧症における発作性心房細動の検討―加算平均心電図を用いて

高血圧症における発作性心房細動 (Paf) を洞調律時に予知するためP波同期式加算平均心電図 (SAECG) の諸指標, 臨床的背景因子を比較検討した.対象は高血圧症連続78例で, SAECGによるFPD, V20, D5を計測し, 同時に心エコー上の左房径, 左室壁厚, 平均血圧を検討した.Paf出現の有無は6か月ことに確認した.Paf陽性群 (P群) 7例, Paf陰性群 (NP群) 71例両群間においてV20, D5は差がなかったが, FPDはP群で有意に延長していた.また, FPD≧135msecを診断基準としてPafを有意に判別し得た.左房径, 左室壁厚はP群で大きい傾向を認めたが,...

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Published in心電図 Vol. 16; no. 4; pp. 385 - 392
Main Author 高良, 洋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 25.07.1996
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.16.385

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Summary:高血圧症における発作性心房細動 (Paf) を洞調律時に予知するためP波同期式加算平均心電図 (SAECG) の諸指標, 臨床的背景因子を比較検討した.対象は高血圧症連続78例で, SAECGによるFPD, V20, D5を計測し, 同時に心エコー上の左房径, 左室壁厚, 平均血圧を検討した.Paf出現の有無は6か月ことに確認した.Paf陽性群 (P群) 7例, Paf陰性群 (NP群) 71例両群間においてV20, D5は差がなかったが, FPDはP群で有意に延長していた.また, FPD≧135msecを診断基準としてPafを有意に判別し得た.左房径, 左室壁厚はP群で大きい傾向を認めたが, 平均血圧は両群間で有意差はなかった.さらに, 左房径とFPD間には有意な正の相関関係が見られた.また, Pafを有する例では, FPDと年齢の間に直線回帰傾向が認められた.高血圧症におけるPafの出現の予測にはFPDが有用であると思われた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.16.385