本態性高血圧症患者の細胞内Na濃度に及ぼす食塩負荷の影響 赤血球およびリンパ球を用いた検討

本態性高血圧症患者50例を対象に赤血球およびリンパ球の細胞内Na濃度を,減塩食および増塩食摂取下に測定し,両者の変化の関係および血圧変化との関係を検討した.血圧と赤血球およびリンパ球内Na濃度は,増塩により有意に増加した.赤血球とリンパ球の細胞内Na濃度は減塩期,増塩期とも相関しなかったが,増塩による両者の変化率は有意の正相関を示した.平均血圧の変化率は赤血球およびリンパ球の細胞内Na濃度変化率とおのおの有意の正相関を示した.以上より,増塩による細胞内Na濃度変化は異なる細胞においても共通であること,および本態性高血圧症患者の食塩感受性には細胞内Na濃度変化が関与していることが示唆された....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 77; no. 1; pp. 5 - 9
Main Authors 新宮, 哲司, 大月, 知文, 大島, 哲也, 木戸, 幸司, 松本, 公治, 渡辺, 光政, 井上, 一郎, 梶山, 梧朗, 松浦, 秀夫, 土岡, 由紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1988
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.77.5

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Summary:本態性高血圧症患者50例を対象に赤血球およびリンパ球の細胞内Na濃度を,減塩食および増塩食摂取下に測定し,両者の変化の関係および血圧変化との関係を検討した.血圧と赤血球およびリンパ球内Na濃度は,増塩により有意に増加した.赤血球とリンパ球の細胞内Na濃度は減塩期,増塩期とも相関しなかったが,増塩による両者の変化率は有意の正相関を示した.平均血圧の変化率は赤血球およびリンパ球の細胞内Na濃度変化率とおのおの有意の正相関を示した.以上より,増塩による細胞内Na濃度変化は異なる細胞においても共通であること,および本態性高血圧症患者の食塩感受性には細胞内Na濃度変化が関与していることが示唆された.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.77.5