胸骨正中経路人工心肺使用下に左Sleeve pneumonectomyを施行した腺様嚢胞癌の1例

症例は29歳,男性.左主気管支原発の腺様嚢胞癌で病変は下位気管および右主気管支と広範に及んでいた.広範囲気道切除再建に際し,再建時の人工心肺使用,吻合部大網被覆等を考慮し胸骨正中経路にて左Sleeve pneumonectomyを施行した.腫瘍が左主気管支周囲で壁外浸潤(肺動脈分岐部)しており,左肺全摘を先行した後,人工心肺使用下に肺動脈合併切除および気管5リング,気管分岐部,右主気管支2リングの広範囲気道切除再建を円滑に施行し得た.術後人工呼吸管理を要したが良好な経過が得られた.左Sleeve pneumonectomyは頻度も低く,手技が複雑で術後死亡率も高い術式ではあるが,適切な症例選択...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 048 - 053
Main Authors 星野, 英久, 黄, 英哲, 斎藤, 幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.2011
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Summary:症例は29歳,男性.左主気管支原発の腺様嚢胞癌で病変は下位気管および右主気管支と広範に及んでいた.広範囲気道切除再建に際し,再建時の人工心肺使用,吻合部大網被覆等を考慮し胸骨正中経路にて左Sleeve pneumonectomyを施行した.腫瘍が左主気管支周囲で壁外浸潤(肺動脈分岐部)しており,左肺全摘を先行した後,人工心肺使用下に肺動脈合併切除および気管5リング,気管分岐部,右主気管支2リングの広範囲気道切除再建を円滑に施行し得た.術後人工呼吸管理を要したが良好な経過が得られた.左Sleeve pneumonectomyは頻度も低く,手技が複雑で術後死亡率も高い術式ではあるが,適切な症例選択,手術手技,麻酔管理,術後管理を行うことにより,良好な経過が可能となる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.25.048