大動脈内バルーンパンピングの最適駆動条件の実験的検討

大動脈内バルーンパンピングの駆動条件のうちバルーン拡張期駆動圧、容量、拡張時間について、模擬循環回路と、7頭の犬を用いて検討を行ない以下の結果を得た。 (1) バルーン拡張期駆動圧を平均大動脈圧+40mmHgから+120mHgまで上げても平均大動脈圧、大動脈流量、冠動脈流量に大きな変化はなく、in vivoでEndocardial Viability Ratio (EVR) が約10%増加したのみであった。 (2) In vitroでは左室1回拍出量に対するバルーン容量が大きくなるほど補助効果は増加した。In vivoではEVRはわずかに増加するのみであったが、これはバルーン容量が小さい為であ...

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Published in人工臓器 Vol. 19; no. 1; pp. 62 - 65
Main Authors 中村, 孝夫, 増田, 春彦, 林紘, 三郎, 田辺, 達三, 酒井, 圭輔, 朝田, 政克
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1990
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.19.62

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Summary:大動脈内バルーンパンピングの駆動条件のうちバルーン拡張期駆動圧、容量、拡張時間について、模擬循環回路と、7頭の犬を用いて検討を行ない以下の結果を得た。 (1) バルーン拡張期駆動圧を平均大動脈圧+40mmHgから+120mHgまで上げても平均大動脈圧、大動脈流量、冠動脈流量に大きな変化はなく、in vivoでEndocardial Viability Ratio (EVR) が約10%増加したのみであった。 (2) In vitroでは左室1回拍出量に対するバルーン容量が大きくなるほど補助効果は増加した。In vivoではEVRはわずかに増加するのみであったが、これはバルーン容量が小さい為であると思われる。 (3) バルーンの拡張時間を心周期の30%から50%まで増加させたところ補助効果は、わずかに増加した。この場合、拡張時間が最大の時の収縮開始時期は次のR波の直前であった。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.19.62