家族型からみた世帯変動の定量分析に関する研究 : その 1 住民票調査による世帯の発生・消滅・変化および転居行動

世帯数の自然増加を意味する世帯の発生と自然減少を意味する世帯の消滅を, 住民票の一部転出入現場から定量化した。定量化の方法は, 一部転出入フロー/既存世帯ストックという便宜的な定量概念によるもので, これを家族型別に行い一部転出入発生率とした。この率を既存世帯ストック数に掛ければフローを計算することができる。この率自体は重要であるが, 本来分析のために必要なコーホート的視点からはもっと別の方法, つまり同時発生集団において各年後までの変化率などを級数として把握することが必要であり, 全部転出と家族型変化についてはこの方法を既存ストックに用いて定量化し検討を行った。この場合でも既存ストックを転入...

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Published in日本建築学会論文報告集 Vol. 335; pp. 88 - 97
Main Author 相羽, 康郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本建築学会 1984
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Summary:世帯数の自然増加を意味する世帯の発生と自然減少を意味する世帯の消滅を, 住民票の一部転出入現場から定量化した。定量化の方法は, 一部転出入フロー/既存世帯ストックという便宜的な定量概念によるもので, これを家族型別に行い一部転出入発生率とした。この率を既存世帯ストック数に掛ければフローを計算することができる。この率自体は重要であるが, 本来分析のために必要なコーホート的視点からはもっと別の方法, つまり同時発生集団において各年後までの変化率などを級数として把握することが必要であり, 全部転出と家族型変化についてはこの方法を既存ストックに用いて定量化し検討を行った。この場合でも既存ストックを転入年度ごとに分けていないので, コーホート的視点は部分的であるが, 定量概念としては単なる率よりも分析に適している。以上のように本研究で用いた定量概念は, 既存ストックを分母とするもので, ストック資料が重要な意味をもっている。3-1では国調統計区集計と住民票調査によって世帯ストック資料を比較考察し, 両者の位置付けを行った。一部または全部転出入のうちある地域の範囲内に収まる割合(圏域度)によって, ある広がりの中に発生する量を限定できる。一部転出入と全部転出入, 単身と非単身を区別して隣接区圏域度を定量化した。
ISSN:0387-1185
2433-0027
DOI:10.3130/aijsaxx.335.0_88