研究会 第14回 心臓核医学研究会 Tl-201運動負荷心筋シンチグラフィ24時間像の定量的評価による心筋viabilityの評価

虚血性心疾患における運動負荷心筋シンチグラフィ24時間像の心筋viability診断能の検討を行った.対象は運動負荷心筋SPECT3時間像で再分布を伴わない集積低下を有する39例(男性36,女性3例,平均58歳)である.全例で24時間像が追加されかつ血行再建術が施行された(バイパス術34例,PTCA 5例).術後約1カ月後に同様の負荷心筋SPECTが施行された.SPECTでの心筋集積はbull's eye表示を用いて最大集積を100%として%表示し,10%以上の集積増加を有意の再分布または術後の集積改善とした.壁運動評価は心プールシンチグラフィにて行った. 3時間像で再分布のない11...

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Published in心臓 Vol. 26; no. Supplement1; pp. 75 - 80
Main Authors 村守, 朗, 中嶋, 憲一, 分校, 久志, 利波, 紀久, 滝, 淳一, 谷口, 充, 松成, 一朗, 川筋, 道雄, 久田, 欣一, 秀毛, 範至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1994
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.26.Supplement1_75

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Summary:虚血性心疾患における運動負荷心筋シンチグラフィ24時間像の心筋viability診断能の検討を行った.対象は運動負荷心筋SPECT3時間像で再分布を伴わない集積低下を有する39例(男性36,女性3例,平均58歳)である.全例で24時間像が追加されかつ血行再建術が施行された(バイパス術34例,PTCA 5例).術後約1カ月後に同様の負荷心筋SPECTが施行された.SPECTでの心筋集積はbull's eye表示を用いて最大集積を100%として%表示し,10%以上の集積増加を有意の再分布または術後の集積改善とした.壁運動評価は心プールシンチグラフィにて行った. 3時間像で再分布のない112区域の内,24時間像で62区域に再分布を示した.24時間像で再分布を示した領域の92%(57/62)で術後集積改善を示し,再分布のない領域では80%(40/50)で集積の改善を示さなかった.しかしこの10区域の内9区域での%uptakeは50%以上であり,再分布がなくても%uptakeが50%以上である場合はviableである可能性が高いことに注意する必要があると考えられた.一方24時間像での%uptakeが50%以上の領域では86%(63/73)で術後集積の改善を認め,50%以下では90%(35/39)で術後改善を認めなかった.壁運動の改善に関しては24時間で再分布陽性領域では96%(22/23)で改善し,再分布陰性領域では86%(19/22)で改善を示さなかった. 以上より運動負荷SPECT24時間像の追加により心筋viabilityの正確な判定が可能となった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.26.Supplement1_75