第11回心臓性急死研究会 集団心臓検診で偶然に検出されたQT延長小児の1急死例の検討

学童・生徒の心電図検診ではQTc≧0.46秒のQT延長が2~4/1,000名の頻度で検出されるが,その内の2/4は心拍数が85/分以上の頻脈によるBazett補正式の過大評価に起因する.偶然に検出されるQT延長症例に関しては基礎疾患がなく,家族歴でQT延長症例がなく,運動負荷でQT短縮が良好であれば予後良好で,経過観察のみで良いとされてきた.しかし,本症例のようにQT間隔のrateadaptationが良好でも運動時(水泳中)に急死した.今後は顔面冷水浸水負荷,Kchannel openerやNachannel blockerなどの薬物負荷試験,遺伝子解析,さらには新たな危険因子の検出法や重症...

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Published in心臓 Vol. 31; no. Supplement4; pp. 25 - 30
Main Authors 新村, 一郎, 柴田, 利満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1999
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Summary:学童・生徒の心電図検診ではQTc≧0.46秒のQT延長が2~4/1,000名の頻度で検出されるが,その内の2/4は心拍数が85/分以上の頻脈によるBazett補正式の過大評価に起因する.偶然に検出されるQT延長症例に関しては基礎疾患がなく,家族歴でQT延長症例がなく,運動負荷でQT短縮が良好であれば予後良好で,経過観察のみで良いとされてきた.しかし,本症例のようにQT間隔のrateadaptationが良好でも運動時(水泳中)に急死した.今後は顔面冷水浸水負荷,Kchannel openerやNachannel blockerなどの薬物負荷試験,遺伝子解析,さらには新たな危険因子の検出法や重症度判定が要求される.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.31.Supplement4_25