第9回 心臓性急死研究会 突然死より救命された発作性心室細動に対する外科治療の試み
発作性心室細動に対して外科治療を行い,良好な結果を得たので,報告する.症例は20歳,男性.1991年5月12日,意識消失をおこし,前医にて心室細動(Vf)と診断され,直流除細動にて救命された.6月28日,同様の発作があった.8月4日,5日にも同様の発作を認め,当科を紹介された.QT時間は正常で,電気生理学的検査にて異常電位は認めず,心房,左室心尖部(LVA)での連続刺激,プログラム刺激では心室頻拍(VT),Vfは誘発されなかった.しかし,右室流出路(RVOT)および右室心尖部(RVA)のプログラム刺激(S1S2S3)にて極めて短時間のVTからVfが誘発された.複数回のVf発作と,救命の既往があ...
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Published in | 心臓 Vol. 24; no. Supplement5; pp. 31 - 37 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1992
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.24.Supplement5_31 |
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Summary: | 発作性心室細動に対して外科治療を行い,良好な結果を得たので,報告する.症例は20歳,男性.1991年5月12日,意識消失をおこし,前医にて心室細動(Vf)と診断され,直流除細動にて救命された.6月28日,同様の発作があった.8月4日,5日にも同様の発作を認め,当科を紹介された.QT時間は正常で,電気生理学的検査にて異常電位は認めず,心房,左室心尖部(LVA)での連続刺激,プログラム刺激では心室頻拍(VT),Vfは誘発されなかった.しかし,右室流出路(RVOT)および右室心尖部(RVA)のプログラム刺激(S1S2S3)にて極めて短時間のVTからVfが誘発された.複数回のVf発作と,救命の既往があり,若年者であることから,外科治療の適応とした.術中,RVOT・右室前壁・LVAでの刺激でいずれもVfが誘発可能であり,その契機となるVTの最早期興奮部位は径が約4cmのRVOT領域に存在した.この部位をVT起源と判定し心筋切除と冷凍凝固を行った.なお,VT起源がある程度の範囲をもっていたため,植え込み型除細動器を同時に植え込んだ.術後の誘発試験でVT,Vfは誘発されず,自然発作も認めていない. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.24.Supplement5_31 |