第19回 臨床不整脈研究会 左房線状焼灼術,心房中隔ペーシング,およびアミオダロン内服のintensive hybrid therapyが奏効した慢性心房細動の1例

症例は62歳,女性.61歳時に左中大脳動脈塞栓症を発症し,右片麻痺・失語症を呈したが,急性期のtPA(組織性プラスミノーゲン活性化因子)製剤投与にて神経学的所見は消失した.心房細動(AF)は少なくとも1年半前から持続しており,左室駆出率は60%,左房径は48mmであった.AFに対して左房線状焼灼術施行するもAFが持続したため,電気的除細動を行ったところ洞停止となり,一時ペーシングを開始した.洞不全が持続したため,恒久的ペースメーカー植え込み術を施行.心房リードは心房細動抑制目的に心房中隔に留置したが,術直前に再びAFとなっていたため直流通電(360J)を行ったがAFは停止しなかった.その後,ア...

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Published in心臓 Vol. 39; no. Supplement4; pp. 85 - 91
Main Authors 夛田, 浩, 後藤, 貢士, 田中, 真一, 橋本, 徹, 大島, 茂, 谷口, 興一, 平松, 茂樹, 絈野, 健一, 横川, 美樹, 内藤, 滋人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 30.11.2007
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_85

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Summary:症例は62歳,女性.61歳時に左中大脳動脈塞栓症を発症し,右片麻痺・失語症を呈したが,急性期のtPA(組織性プラスミノーゲン活性化因子)製剤投与にて神経学的所見は消失した.心房細動(AF)は少なくとも1年半前から持続しており,左室駆出率は60%,左房径は48mmであった.AFに対して左房線状焼灼術施行するもAFが持続したため,電気的除細動を行ったところ洞停止となり,一時ペーシングを開始した.洞不全が持続したため,恒久的ペースメーカー植え込み術を施行.心房リードは心房細動抑制目的に心房中隔に留置したが,術直前に再びAFとなっていたため直流通電(360J)を行ったがAFは停止しなかった.その後,アミオダロンの内服を開始したところ5日後にAFが自然停止した.以後,心房中隔ペーシング(70ppm),およびアミオダロン(100mg/日)内服にて11カ月間経過観察中だが,AFは認めない.心胸郭比は52%から42%に,左房径は38mmに,左室駆出率は74%に,またNYHA分類もI度に改善した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_85