第3回 体表心臓微小電位研究会 Pilsicainideの抗不整脈作用,催不整脈作用の加算平均心電図による検討

目的:Pilsicainide(PLS)の心室性不整脈に対する効果の判定に加算平均心電図(SAECG)が有効か否かを検討した.方法:一日5,000個以上の心室性期外収縮を有する18例にPLS単回投与後,2週連続投与を行った.投与前,単回投与2時間後,2週連続投与後にSAECGによるfiltered QRS幅(fQRS),QRS終末部40msの平均電位(RMS40)を検討した.結果:9例でPLSが有効(A群)7例で無効(B群)2例で増悪を認めた(C群).PLS単回投与前と2 時間後のRMS 40の差ΔRMS 40はA 群が有意に大であった(A群:46.8±33.4ms;B群:8.9±9.5mse...

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Published in心臓 Vol. 25; no. Supplement5; pp. 27 - 31
Main Authors 広木, 忠行, 案浦, 美雪, 諸江, 一男, 松尾, 邦浩, 熊谷, 浩一郎, 荒川, 規矩男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1993
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_27

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Summary:目的:Pilsicainide(PLS)の心室性不整脈に対する効果の判定に加算平均心電図(SAECG)が有効か否かを検討した.方法:一日5,000個以上の心室性期外収縮を有する18例にPLS単回投与後,2週連続投与を行った.投与前,単回投与2時間後,2週連続投与後にSAECGによるfiltered QRS幅(fQRS),QRS終末部40msの平均電位(RMS40)を検討した.結果:9例でPLSが有効(A群)7例で無効(B群)2例で増悪を認めた(C群).PLS単回投与前と2 時間後のRMS 40の差ΔRMS 40はA 群が有意に大であった(A群:46.8±33.4ms;B群:8.9±9.5msec;p=0.04)が,しかし,投与前と2時間後のfQRSの差ΔfQRSはなかった.C群ではΔfQRSは著明に延長していた.総括:PLSの単回投与後のSAECGによる検討は抗不整脈の効果のみならず催不整脈の早期発見にも極めて有用であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_27