第6回 体表心臓微小電位研究会 ウェーブレット変換による加算平均心電図の解析

ウェーブレット変換(wavelet transform : WT)は近年周波数解析の一手法として注目されている方法であり,フーリエ変換より時間分解能が高く,局所振動の位置情報の解析に適している.著者らは加算平均心電図(signal averaged ECG : SAECG)の解析に法を用い,本解析法による時間-周波数解析の有用性について検討した.モデル波形を使用した検討ではQRS complexの中に埋没した局所振動を時間情報も含め明瞭に検出することが可能であった.健常者200名とARVD患者30名との比較検討では,WT波形下部の面積,WT波形の局所ピークの数,QRS のon setからWT波...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 28; no. Supplement7; p. 52
Main Authors 水谷, 浩也, 太田, 隆之, 芳賀, 勝, 加藤, 勲, 岩, 亨, 小林, 正, 上杉, 道伯, 水谷, 登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1996
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.28.Supplement7_52

Cover

More Information
Summary:ウェーブレット変換(wavelet transform : WT)は近年周波数解析の一手法として注目されている方法であり,フーリエ変換より時間分解能が高く,局所振動の位置情報の解析に適している.著者らは加算平均心電図(signal averaged ECG : SAECG)の解析に法を用い,本解析法による時間-周波数解析の有用性について検討した.モデル波形を使用した検討ではQRS complexの中に埋没した局所振動を時間情報も含め明瞭に検出することが可能であった.健常者200名とARVD患者30名との比較検討では,WT波形下部の面積,WT波形の局所ピークの数,QRS のon setからWT波形の最後のピークまでの時間の3つのパラメータにおいて差が認められた.健常者の90パーセンタイル点よりクライテリアを設定し,本解析法の有用性を検討したところ,ARVDの検出においてsensitivity87%,specificity92%.OMI-VTの検出においてsensitivity78%,specificity77%と良好な結果を得た.WTはSAECG信号に含まれる微少信号の検出に有用であると思われた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.28.Supplement7_52