第19回 臨床不整脈研究会 Family CPRにより救命され,アブレーション治療に成功した特発性心室細動の1症例

症例は41歳,女性.数秒間の意識消失発作のため受診.外来でのホルター心電図装着中に心肺停止で発見され,家人が心肺蘇生を施行.救急搬送先で心室細動(VF)に対して,電気的除細動を行い,洞調律に復帰した.ホルター心電図の解析では,単源性の心室性期外収縮(PVC)からVFへの移行が認められた.入院後も比較的coupling intervalの長いPVC(左脚ブロック型,移行帯V4-V5,下方軸)から非持続性心室頻拍(VT)が頻発しており,準緊急的にアブレーションを施行.VFのトリガーと同型のPVCが持続的に認められ,右室流出路側壁に起源を同定し,高周波通電に成功した.術後PVCはほぼ消失し,VT/V...

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Published in心臓 Vol. 39; no. Supplement4; pp. 80 - 84
Main Authors 柴山, 健理, 松尾, 征一郎, 宮永, 哲, 神崎, 恭子, 稲田, 慶一, 山根, 禎一, 伊達, 太郎, 杉本, 健一, 望月, 正武, 宮崎, 秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2007
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_80

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Summary:症例は41歳,女性.数秒間の意識消失発作のため受診.外来でのホルター心電図装着中に心肺停止で発見され,家人が心肺蘇生を施行.救急搬送先で心室細動(VF)に対して,電気的除細動を行い,洞調律に復帰した.ホルター心電図の解析では,単源性の心室性期外収縮(PVC)からVFへの移行が認められた.入院後も比較的coupling intervalの長いPVC(左脚ブロック型,移行帯V4-V5,下方軸)から非持続性心室頻拍(VT)が頻発しており,準緊急的にアブレーションを施行.VFのトリガーと同型のPVCが持続的に認められ,右室流出路側壁に起源を同定し,高周波通電に成功した.術後PVCはほぼ消失し,VT/VFの再発は認めなかったが,VFからの蘇生例であるために,予防的に植込み型除細動器(ICD)の植え込みを施行した.搬送時の意識レベルはJCS III-3であり植物状態が危惧されたが,最終的には脳ダメージなく退院した.その後4カ月間の観察期間内でVT/VFの再発は認められていない.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_80