第18回 臨床不整脈研究会 リング状20極カテーテルを用いてアブレーションに成功した肺動脈弁上部起源特発性心室頻拍の1例
症例は55歳,男性.主訴は動悸.高血圧,高脂血症にて近医通院中,健診にて心室性期外収縮(PVC)二段脈を認め当院へ紹介.外来ホルター心電図にて総心拍数131.915拍,PVC 49.243拍/日(最大3連発)認め,2005年8月23日カテーテルアブレーション目的にて入院.体表面心電図上PVC波形は,完全左脚ブロック型,下方軸,移行帯はV4~5で,二段脈を呈した. 心臓電気生理検査およびカテーテルアブレーション:PVC波形より起源を右室流出路と推定し,リング状20極カテーテル(直径24mm)を右室肺動脈弁境界部に留置した.PVC最早期興奮部位は肺動脈弁上部中隔前壁(5-6双極電位)で,QRS波よ...
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Published in | 心臓 Vol. 38; no. Supplement4; pp. 35 - 40 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2006
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.38.Supplement4_35 |
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Summary: | 症例は55歳,男性.主訴は動悸.高血圧,高脂血症にて近医通院中,健診にて心室性期外収縮(PVC)二段脈を認め当院へ紹介.外来ホルター心電図にて総心拍数131.915拍,PVC 49.243拍/日(最大3連発)認め,2005年8月23日カテーテルアブレーション目的にて入院.体表面心電図上PVC波形は,完全左脚ブロック型,下方軸,移行帯はV4~5で,二段脈を呈した. 心臓電気生理検査およびカテーテルアブレーション:PVC波形より起源を右室流出路と推定し,リング状20極カテーテル(直径24mm)を右室肺動脈弁境界部に留置した.PVC最早期興奮部位は肺動脈弁上部中隔前壁(5-6双極電位)で,QRS波より30msec先行した.同部位にてperfect pace mapが得られ,1回の高周波通電にてPVCは消失した.カテーテルアブレーション後,外来にてPVCは出現せず,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は99.9から6.6まで減少した. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.38.Supplement4_35 |