[第19回頭頸部癌懇話会]早期咽頭癌における照射失敗例の検討

早期咽頭癌照射例を対象に再発とその形式さらにそれから得られる今後の方針について検討した. 症例は1978年から1994年までの上・中・下咽頭癌の一次例で, 組織型は扁平上皮癌である. 原則としてT1, T2例を早期例とした. 全症例数は上咽頭癌47例, 中咽頭癌83例, 下咽頭癌92例であり, その内, 早期照射例はそれぞれ28例, 35例, 6例である. 上咽頭癌は一般に遠隔転移再発が非常に多く, これは早期例においても同様である. これに対し化学療法を併用し, 生存率の改善が得られた. 中咽頭癌においては亜部位としては前口蓋弓, 軟口蓋原発に, 腫瘍型としては浸潤または浸潤潰瘍型に. 組識...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻と臨床 Vol. 42; no. 4Supplement1; pp. 525 - 530
Main Authors 長谷川, 泰久, 松浦, 秀博, 中山, 敏, 藤本, 保志, 曽賀野, 悟志, 亀井, 荘太郎, 新谷, 悟, 不破, 信和, 菊池, 雄三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1996
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:早期咽頭癌照射例を対象に再発とその形式さらにそれから得られる今後の方針について検討した. 症例は1978年から1994年までの上・中・下咽頭癌の一次例で, 組織型は扁平上皮癌である. 原則としてT1, T2例を早期例とした. 全症例数は上咽頭癌47例, 中咽頭癌83例, 下咽頭癌92例であり, その内, 早期照射例はそれぞれ28例, 35例, 6例である. 上咽頭癌は一般に遠隔転移再発が非常に多く, これは早期例においても同様である. これに対し化学療法を併用し, 生存率の改善が得られた. 中咽頭癌においては亜部位としては前口蓋弓, 軟口蓋原発に, 腫瘍型としては浸潤または浸潤潰瘍型に. 組識分化型では高分化型に治癒後の再発例がみられている. 下咽頭癌に対する今回の検計では早期梨状陥凹癌は照射の適応があると思われる. 上・中咽頭癌では化学療法と照射療法の併用による相乗効果で今後治癒率の向上が期待される.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.42.4Supplement1_525