第7回 心臓性急死研究会 虚血性心疾患の突然死症例における生前ホルター心電図の検討

目的:突然死した虚血性心疾患患者の生前ホルター心電図(AM)上の特徴を明らかにすること. 対象:SD群:加療中に症状発現後1時間以内の予期せぬ突然死をきたした虚血性心疾患症例7例,対照群はIHD群:虚血性心疾患患者のうち罹患後3年以上生存している例7例. 方法:SD群は突然死の6カ月以内に施行したAMより,1.不整脈の有無,2.VPC例にはLorentz-Plot解析(L法),Winkle解析(W法)を施行.3.VPCの出現頻度の心拍依存性.4.心拍変動スペクトル解析(HRV)について検討.LPはRMS40の値が15μV以下をLP陽性と判定. 結果および考察:NYHA分類ではSD群に2および3...

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Published in心臓 Vol. 27; no. Supplement6; pp. 47 - 53
Main Authors 岩崎, 忠昭, 溪, 浩司, 佐々木, 亮太郎, 杉澤, 一彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1995
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.27.Supplement6_47

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Summary:目的:突然死した虚血性心疾患患者の生前ホルター心電図(AM)上の特徴を明らかにすること. 対象:SD群:加療中に症状発現後1時間以内の予期せぬ突然死をきたした虚血性心疾患症例7例,対照群はIHD群:虚血性心疾患患者のうち罹患後3年以上生存している例7例. 方法:SD群は突然死の6カ月以内に施行したAMより,1.不整脈の有無,2.VPC例にはLorentz-Plot解析(L法),Winkle解析(W法)を施行.3.VPCの出現頻度の心拍依存性.4.心拍変動スペクトル解析(HRV)について検討.LPはRMS40の値が15μV以下をLP陽性と判定. 結果および考察:NYHA分類ではSD群に2および3度のものが各1名存在.L法ではSD群でscattered typeが多く,W法では促進型がSD群で多かった.HRVはHFはIHD群では夜間に上昇が認められるが,SD群では特に夜間の低下が著明.LF/HFは,IHD群は日内変動が認められるが,SD群は全日を通じて変動が小さかった.VPCの連結期の変動性の増加例やLPの陽性性と心拍数の増加と共にVPCが増加する例が突然死群に多い傾向が認められた.HRVの変動は交感,副交感両自律神経の緊張が減少し,日内変動はほぼ消失していた.突然死の原因はsubstrateとしてre-entry回路の存在,不応期の不均一性などとtriggerとして自律神経活動の関与が考えられた. 結語:虚血性心疾患患者の突然死例は生前よりホルター心電図に特徴が認められた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.27.Supplement6_47