第1回 体表心臓微小電位研究会 胸部単極32点誘導を用いた体表面加算電位図装置の開発と心室遅延電位の空間分布の解析

目的:心室遅延電位(LP)検出の多くは双極誘導法を用いており,LPの空間分布を解析することは困難である.今回,高感度増幅・信号加算を用いる胸部単極32点誘導の体表面加算電位図装置を試作し,LPの空間分布を解析した.対象:正常20例とLPの確認された症例13例である.方法:胸部単極32誘導心電信号を高感度増幅・加算・帯域処理(60-300Hz)した後,電算=機で演算処理した. LP陽性例では32誘導加算心電図のQRS departure map,等電位分布図(LP isopotential map), X, Y, Z誘導創tered QRS終了点より30 msec前までのLPの積分電位図(LP3...

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Published in心臓 Vol. 23; no. Supplement4; pp. 98 - 104
Main Authors 中居, 賢司, 伊藤, 忠一, 菖蒲, 沢実, 安保, 博子, 千葉, 直樹, 平盛, 勝彦, 大西, 哲, 笠貫, 宏, 細田, 瑳一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1991
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Summary:目的:心室遅延電位(LP)検出の多くは双極誘導法を用いており,LPの空間分布を解析することは困難である.今回,高感度増幅・信号加算を用いる胸部単極32点誘導の体表面加算電位図装置を試作し,LPの空間分布を解析した.対象:正常20例とLPの確認された症例13例である.方法:胸部単極32誘導心電信号を高感度増幅・加算・帯域処理(60-300Hz)した後,電算=機で演算処理した. LP陽性例では32誘導加算心電図のQRS departure map,等電位分布図(LP isopotential map), X, Y, Z誘導創tered QRS終了点より30 msec前までのLPの積分電位図(LP30 area map)を作製した.結果:1.LP isopotential mapはQRS終末部の微小電位の空間分布を反映した.2.LP30 area mapによるLPの空間分布は疾患により種々の分布を示し,心筋梗塞症ではdeparture mapで示される梗塞領域周辺部と関連した.3.持続性心室頻拍を有した不整脈源性右室異形成のLPの空間分布は,心内frag-mentationの分布・心室頻拍起源と関連した.考案:体表面32誘導加算電位図はLPの空間分布の解析に有用であり,心内fragmentationの推測が可能であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.23.Supplement4_98