[第9回頭頸部癌化学療法研究会]進行舌癌における術前照射効果と予後について

局所進行頭頸部癌において、手術待機期間に化学療法、放射線療法、あるいはその両者など、何らかの術前治療が行われることは臨床上経験されるが、その是非については各施設での判断にゆだねられている。当科では進行舌癌の治療として、再建手術を主体とした手術療法が施行されてから20年が経過したが、かつてのラジウム小線源治療からの治療法の変遷から、多くの症例で術前照射を施行してきた。そこで本稿では補助療法としての術前照射効果について、系統的に単独照射を施行してきたT3・T4舌癌101例を対象に治療成績を検討した。結果、術前照射効果を組織学的に認めた有効例と無効例の出現比率は55:45であり、両群間で制御率・生存...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 50; no. 5Supplement1; pp. S33 - S40
Main Authors 三浦, 弘規, 木村, 幸紀, 吉本, 世一, 米川, 博之, 別府, 武, 三谷, 浩樹, 鎌田, 信悦, 川端, 一嘉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 2004
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.50.5Supplement1_S33

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Summary:局所進行頭頸部癌において、手術待機期間に化学療法、放射線療法、あるいはその両者など、何らかの術前治療が行われることは臨床上経験されるが、その是非については各施設での判断にゆだねられている。当科では進行舌癌の治療として、再建手術を主体とした手術療法が施行されてから20年が経過したが、かつてのラジウム小線源治療からの治療法の変遷から、多くの症例で術前照射を施行してきた。そこで本稿では補助療法としての術前照射効果について、系統的に単独照射を施行してきたT3・T4舌癌101例を対象に治療成績を検討した。結果、術前照射効果を組織学的に認めた有効例と無効例の出現比率は55:45であり、両群間で制御率・生存率に有意差を認めたことから、照射効果と予後について一定の関連があると考えられた。術前照射は結果として原発巣・頸部制御率向上に寄与したが、その一方、遠隔転移率では両群間に大きな相違はなく、全体の生存率向上を得るまでには至らなかった。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.50.5Supplement1_S33