第11染色体喘息遺伝子

アトピーは高いIgE反応性を示す遺伝素因であり、喘息、皮膚炎、花粉症などの疾患の危険因子と考えられている。1989年にOxford大学のチームが初めて、第11染色体との連鎖を発見して以来、今日までの10年間に白人、黒人、アジア人の3大人種すべてにおいて、連鎖や関連が確認され、この染色体上に何らかのアトピー関連遺伝子が存在することが確実となった。その候補として、FcεRIβ鎖遺伝子が注目され、いくつかの変異が発見され、アトピー性喘息と強い関連があることが多くのグループから発表されている。しかし、なぜFcεRIβ鎖遺伝子の変異がアトピーを惹起するかは依然として不明である。今後、FcεRIβ鎖遺伝子...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 45; no. 6Supplement2; pp. 668 - 675
Main Authors 白川, 太郎, 毛, 曉全, 高, 培松, 榎本, 雅夫, 三好, 彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1999
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.45.6Supplement2_668

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Summary:アトピーは高いIgE反応性を示す遺伝素因であり、喘息、皮膚炎、花粉症などの疾患の危険因子と考えられている。1989年にOxford大学のチームが初めて、第11染色体との連鎖を発見して以来、今日までの10年間に白人、黒人、アジア人の3大人種すべてにおいて、連鎖や関連が確認され、この染色体上に何らかのアトピー関連遺伝子が存在することが確実となった。その候補として、FcεRIβ鎖遺伝子が注目され、いくつかの変異が発見され、アトピー性喘息と強い関連があることが多くのグループから発表されている。しかし、なぜFcεRIβ鎖遺伝子の変異がアトピーを惹起するかは依然として不明である。今後、FcεRIβ鎖遺伝子の機能解明と近傍遺伝子の検索が必要と思われる。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.45.6Supplement2_668