第15回臨床不整脈研究会 Fallot四徴症・総肺静脈還流異常に伴う慢性心房細動の1症例

38歳男性.生下時よりファロー四徴と診断されていた.平成12年9月より労作時呼吸困難が出現,心不全増悪したため,平成13年5月入院,総肺静脈還流異常の診断で開胸術を施行した.その後心房細動(Af)が持続し,心不全が悪化したため,平成14年2月に再入院した.Afに対し電気的除細動および電気生理学的検査を施行した.高位右房,心房中隔欠損孔より左房(LA),右房に開口する肺静脈にそれぞれ4本の電極カテーテルを留置した.300Jで除細動後,LA起源および右上肺静脈(RS)以外からのfiringを繰り返し認めたが,Afは持続しなかった.洞調律中にRSからのfiringを認めAfが再発し,その起始の機序と...

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Published in心臓 Vol. 35; no. Supplement4; pp. 25 - 29
Main Authors 高村, 和大, 五十嵐, 正樹, 岡野, 喜史, 正林, 浩高, 小林, 建三郎, 大塚, 崇之, 小泉, 章子, 山崎, 純一, 吉原, 克則, 小山, 信彌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2003
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Summary:38歳男性.生下時よりファロー四徴と診断されていた.平成12年9月より労作時呼吸困難が出現,心不全増悪したため,平成13年5月入院,総肺静脈還流異常の診断で開胸術を施行した.その後心房細動(Af)が持続し,心不全が悪化したため,平成14年2月に再入院した.Afに対し電気的除細動および電気生理学的検査を施行した.高位右房,心房中隔欠損孔より左房(LA),右房に開口する肺静脈にそれぞれ4本の電極カテーテルを留置した.300Jで除細動後,LA起源および右上肺静脈(RS)以外からのfiringを繰り返し認めたが,Afは持続しなかった.洞調律中にRSからのfiringを認めAfが再発し,その起始の機序として異常自動能の関与が推測された.先天性心奇形に伴う慢性心房細動例において,肺静脈からのfiringがAfの起源として認められた症例を経験した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.35.Supplement4_25