第19回 臨床不整脈研究会 右室流出路起源単形性心室頻拍および房室結節リエントリー性頻拍を合併したBrugada症候群の1例
房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)および単形性心室頻拍(VT)の両者が植込み型除細動器(ICD)頻回作動の原因であったBrugada症候群に対してカテーテルアブレーションを施行し,心室細動(VF)の誘発性をも抑制しえた稀有な症例を経験したため報告する.症例は39歳,男性.36歳時に歩行中に失神し他院入院.Saddle-back型のBrugada型心電図を認め, pilsicainide(PIL)負荷でcoved型への変化を認めた.運動負荷検査で単形性VTを認めたが,プログラム刺激(PES)では無投薬でVFが誘発されICD植え込みが行われた. 2006年7月,講演中に連続5回のICD作動が...
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Published in | 心臓 Vol. 39; no. Supplement4; pp. 51 - 57 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2007
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_51 |
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Summary: | 房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)および単形性心室頻拍(VT)の両者が植込み型除細動器(ICD)頻回作動の原因であったBrugada症候群に対してカテーテルアブレーションを施行し,心室細動(VF)の誘発性をも抑制しえた稀有な症例を経験したため報告する.症例は39歳,男性.36歳時に歩行中に失神し他院入院.Saddle-back型のBrugada型心電図を認め, pilsicainide(PIL)負荷でcoved型への変化を認めた.運動負荷検査で単形性VTを認めたが,プログラム刺激(PES)では無投薬でVFが誘発されICD植え込みが行われた. 2006年7月,講演中に連続5回のICD作動があり紹介入院.VTに対する適切作動と上室性頻拍(SVT)を疑う心内電位が記録された.ICDからのPESでは無投薬・PIL投与後ともにVFを認めるのみであったが, isoproterenol(ISP)負荷ではSVTが誘発され,左脚ブロック型・正常軸のVTに移行した.後日心臓電気生理学的検査(EPS)を行い,SVTは通常型AVNRTと診断し slow pathwayablationに成功した.単形性VTは左室からの頻回刺激で再現性をもって誘発され機序はリエントリーが疑われた.右室流出路での単形性VTのアブレーションに成功し,以後はAVNRTおよびVTのみならずVFも誘発不能となった. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_51 |