研究会 第14回 心臓核医学研究会 心電図同期201T1心筋シンチから求めた局所心筋壁厚変化曲線による新しい局所心機能評価法

心電図同期201Tl心筋シンチにより局所心筋壁厚変化曲線を求め,局所心機能を評価した報告はいまだにない.心電図同期201T1心筋シンチにより局所心筋収縮能の指標である局所心筋収縮期壁厚増加率(%WT)を求める新しい方法を考案し,臨床応用の可否について心エコー法で求めた%WTとの比較検討を行った.心エコー左室短軸Mモード像での測定部位に対応するように,心電図同期201T1心筋シンチLAO45°planar imageの心室中隔および左室後側壁に関心領域を設定した.関心領域内のT1活性の変化が心筋壁厚の変化を反映するように,心室壁と直交する長方形の関心領域を設定しtime-activitycurv...

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Published in心臓 Vol. 26; no. Supplement1; pp. 10 - 16
Main Authors 原田, 雅彦, 尾崎, 正治, 古谷, 雄司, 斎木, 淳, 高橋, 陽二郎, 松崎, 益徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1994
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Summary:心電図同期201Tl心筋シンチにより局所心筋壁厚変化曲線を求め,局所心機能を評価した報告はいまだにない.心電図同期201T1心筋シンチにより局所心筋収縮能の指標である局所心筋収縮期壁厚増加率(%WT)を求める新しい方法を考案し,臨床応用の可否について心エコー法で求めた%WTとの比較検討を行った.心エコー左室短軸Mモード像での測定部位に対応するように,心電図同期201T1心筋シンチLAO45°planar imageの心室中隔および左室後側壁に関心領域を設定した.関心領域内のT1活性の変化が心筋壁厚の変化を反映するように,心室壁と直交する長方形の関心領域を設定しtime-activitycurve(TAC)を作成した.本法より求めた局所心筋のTACは,動物実験にて超音波クリスタル法より求めた局所心筋壁厚変化曲線と酷似しており,このTACが局所心筋壁厚の変化を反映することが推察された.このTACより拡張末期カウント(EDC)および収縮末期カウント(ESC)を求め,(ESC-EDC)/EDC*100の式より%WTを算出した.本法より求めた%WTは心エコー法による%WTと心室中隔ではr=0.78,p<0.001,左室後側壁ではr=0.77,p<0.001の密なる正相関を示し,本法の臨床的有用性が示唆された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.26.Supplement1_10