静岡県におけるヒト由来志賀毒素産生性大腸菌の血清型, 志賀毒素型, 薬剤感受性およびO157のファージ型 (1987~2002年)

1. 静岡県における過去16年間 (1987~2002年) の患者総数は358名であり, 1997年が67名と最も多かった.O群型で分けるとO157による患者が250名と最も多く, 以下O26による患者が69名, O111による患者が20名の順であった.集団感染事例は3件あり, 2000年に発生した保育園におけるO26:H11・Stx1による患者数21名の事例が最大であった.また, 家族内感染事例が48件 (患者数128名) あった. 2. ヒト由来STEC分離株はO157:H7・Stx1/2産生株が130株, O157:H7・Stx2産生株が80株, O26:H11・Stx1産生株が51株と...

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Published in日本食品微生物学会雑誌 Vol. 21; no. 1; pp. 44 - 51
Main Authors 増田, 高志, 有田, 世乃, 川森, 文彦, 三輪, 憲永, 川村, 朝子, 寺井, 克哉, 秋山, 眞人, 仁科, 徳啓
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本食品微生物学会 15.04.2004
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Summary:1. 静岡県における過去16年間 (1987~2002年) の患者総数は358名であり, 1997年が67名と最も多かった.O群型で分けるとO157による患者が250名と最も多く, 以下O26による患者が69名, O111による患者が20名の順であった.集団感染事例は3件あり, 2000年に発生した保育園におけるO26:H11・Stx1による患者数21名の事例が最大であった.また, 家族内感染事例が48件 (患者数128名) あった. 2. ヒト由来STEC分離株はO157:H7・Stx1/2産生株が130株, O157:H7・Stx2産生株が80株, O26:H11・Stx1産生株が51株と主要な分離株で74.4%を占めた. 3. O157で231株中71株, O26で66株中35株, O111で13株中7株, その他で7株中3株が12薬剤のいずれかに耐性を示した.これらは12の耐性パターンに分けられ, SM/TC2剤耐性が35株, ABPC/SM/TC3剤耐性が21株, SM単独耐性が20株の順で, 4薬剤以上に耐性を示した株が7株みられた. 4. RDNC9株を除く222株のSTEC O157が27のファージ型に分けられ, 2型と32株が多かった.また, 年次別推移では1997年に32型が53.3%を占めたのに対して, 1997年以外は分離頻度の高いファージ型は異なったが2型, 14型は毎年分離された.同一の集団感染事例や家族内感染事例からのSTEC O157分離株はすべて同一のファージ型であり, ファージ型別は疫学解析の手段として十分活用できることが示された.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.21.44