電気生理学的検査およびホルター心電図で証明しえた過常伝導を有するHis束内ブロックの一例
眼前暗黒感を主訴とする73歳の女性でHis束内の過常伝導を認めた.電気生理学的検査では洞調律時にHis束電位の分裂を認め, 刺激周期600msecの高位右房頻回刺激によって2: 1のHis東内ブロックが生じた.心房早期刺激 (基本刺激周期700msec) では連結期640~510msecでHis東内ブロックが生じたが, 連結期500msecから房室結節有効不応期の380msecまで房室伝導が回復した.連結期400~380msecにおける房室伝導回復はA-H時間延長によるgap現象で説明されうるが, 500~410msecにおける伝導回復はH1H2時間の突然の延長が認められず, H-H'...
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Published in | 心電図 Vol. 15; no. 1; pp. 51 - 56 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
1995
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.15.51 |
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Summary: | 眼前暗黒感を主訴とする73歳の女性でHis束内の過常伝導を認めた.電気生理学的検査では洞調律時にHis束電位の分裂を認め, 刺激周期600msecの高位右房頻回刺激によって2: 1のHis東内ブロックが生じた.心房早期刺激 (基本刺激周期700msec) では連結期640~510msecでHis東内ブロックが生じたが, 連結期500msecから房室結節有効不応期の380msecまで房室伝導が回復した.連結期400~380msecにおける房室伝導回復はA-H時間延長によるgap現象で説明されうるが, 500~410msecにおける伝導回復はH1H2時間の突然の延長が認められず, H-H'時間も不変であるため, His東内の真の過常伝導によるものと考えられた.薬理学的自律神経遮断によって, His束内ブロックが生じる連結期の範囲が拡大した.ホルター心電図上でも房室伝導の過常伝導を示唆する現象が確認された. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.15.51 |