欧米及び日本における河川及び湖沼のフェノール系環境ホルモン
欧米及び日本における河川及び湖沼の水質及び魚類について, NP, NP1EO, NP2EO, OP及びBPAの汚染状況を文献調査データにより明らかにするとともに, 河川及び湖沼に生息する魚類についてこれらの化学物質の濃縮性及び汚染の評価を加えた。 環境省及び国土交通省により1998~2001年に実施された河川及び湖沼の全国調査では, NP及びOPの水質濃度は概ね減少傾向を示したが, BPAについては明瞭な傾向を示さなかった。また, 自治体独自の調査からは汚染の濃度及び経年変化に地域差のあることが明らかとなった。 一方, 欧米諸国では早期から本格的な調査が実施されており, 高濃度の値が報告されて...
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Published in | 環境化学 Vol. 13; no. 1; pp. 1 - 16 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境化学会
2003
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ISSN | 0917-2408 1882-5818 |
DOI | 10.5985/jec.13.1 |
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Summary: | 欧米及び日本における河川及び湖沼の水質及び魚類について, NP, NP1EO, NP2EO, OP及びBPAの汚染状況を文献調査データにより明らかにするとともに, 河川及び湖沼に生息する魚類についてこれらの化学物質の濃縮性及び汚染の評価を加えた。 環境省及び国土交通省により1998~2001年に実施された河川及び湖沼の全国調査では, NP及びOPの水質濃度は概ね減少傾向を示したが, BPAについては明瞭な傾向を示さなかった。また, 自治体独自の調査からは汚染の濃度及び経年変化に地域差のあることが明らかとなった。 一方, 欧米諸国では早期から本格的な調査が実施されており, 高濃度の値が報告されていたが, 最近数年間の調査データからNP, NP1EO, NP2EO等の大幅な減少傾向が認められた。 河川及び湖沼に生息する魚類におけるNP, OP及びBPAの汚染状況は実験データのLaboratory BCF (中~低濃縮性) から概ね予測される結果となった。 また, フィールドの魚類におけるフェノール系環境ホルモンの濃縮性を評価するために算出したField BCFがLaboratory BCFと比較して水中濃度の変動, 環境条件, 個体差等により大きく変動することが明らかとなり, 両者を併用することによりフィールドにおける魚類の汚染評価がより正確に行えるものと考えられた。 |
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ISSN: | 0917-2408 1882-5818 |
DOI: | 10.5985/jec.13.1 |