喉頭温存・下咽頭喉頭部分切除術における切除範囲と再建法について

喉頭温存・下咽頭喉頭部分切除術で,適切な再建術選択の指針は確立されていない。そこで2004年4月より当科で本術式を行った23例を対象として,切除範囲と再建法について検討を行った。一側の披裂喉頭蓋襞と梨状陥凹に留まる切除なら一期縫縮が可能であった。一側の梨状陥凹を越えて後壁や輪状後部に達する切除や,一側の披裂喉頭蓋襞を越えて披裂上半分を含む切除では空腸パッチ再建が必要であった。T3・T4進行癌でも,喉頭温存手術の可能な症例が認められた。一期縫縮例では平均2週間,再建症例では平均3週間で術後経口再開が可能であった。完全喉頭機能温存が約8割の症例で成され,疾患特異的生存率が約9割であった。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 19; no. 2; pp. 111 - 118
Main Authors 山崎, 宗治, 西條, 茂, 浅田, 行紀, 加藤, 健吾, 松浦, 一登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2009
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.19.111

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Summary:喉頭温存・下咽頭喉頭部分切除術で,適切な再建術選択の指針は確立されていない。そこで2004年4月より当科で本術式を行った23例を対象として,切除範囲と再建法について検討を行った。一側の披裂喉頭蓋襞と梨状陥凹に留まる切除なら一期縫縮が可能であった。一側の梨状陥凹を越えて後壁や輪状後部に達する切除や,一側の披裂喉頭蓋襞を越えて披裂上半分を含む切除では空腸パッチ再建が必要であった。T3・T4進行癌でも,喉頭温存手術の可能な症例が認められた。一期縫縮例では平均2週間,再建症例では平均3週間で術後経口再開が可能であった。完全喉頭機能温存が約8割の症例で成され,疾患特異的生存率が約9割であった。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.19.111