二次性ヘモクロマトーシスと輸血後肝炎により肝硬変を呈した重症再生不良性貧血の男子例

頻回輸血による二次性ヘモクロマトーシスと輸血後肝炎による肝硬変を呈した17歳の再生不良性貧血の男子例を報告した.患児は各種治療抵抗性であり, 輸血による保存的治療を行っていたが最終的には肝不全で死亡した.剖検所見では肝, 膵, 脾, 副腎, 甲状腺, 胃, 大腸にヘモジデリンが多量に沈着していた.とくに肝においては肝炎の存在を裏付ける著明なリンパ球の浸潤とともに, 線維化とクッパー細胞によるヘモジデリンの貪食像が見られた.治療を輸血に頼らなければならない症例には鉄過剰症に対する対応も考慮しなければならないと思われた....

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 4; no. 2; pp. 178 - 182
Main Authors 辻, 靖博, 中島, 匡博, 石谷, 暢男, 松下, 詠治, 宇都宮, 靖, 星加, 忠孝, 田中, 清, 原田, 友一郎, 西川, 健一, 岡田, 隆好
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1990
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.4.178

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Summary:頻回輸血による二次性ヘモクロマトーシスと輸血後肝炎による肝硬変を呈した17歳の再生不良性貧血の男子例を報告した.患児は各種治療抵抗性であり, 輸血による保存的治療を行っていたが最終的には肝不全で死亡した.剖検所見では肝, 膵, 脾, 副腎, 甲状腺, 胃, 大腸にヘモジデリンが多量に沈着していた.とくに肝においては肝炎の存在を裏付ける著明なリンパ球の浸潤とともに, 線維化とクッパー細胞によるヘモジデリンの貪食像が見られた.治療を輸血に頼らなければならない症例には鉄過剰症に対する対応も考慮しなければならないと思われた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.4.178