All-trans retinoic acidにより寛解導入に成功した急性前骨髄性白血病小児再発例

All-trans retinoic acid (ATRA) により寛解導入に成功した5歳男児急性前骨髄性白血病再発例を報告した・再発後, 化学療法に抵抗性のため両親の承諾を得たうえでAra-C大量療法後ATRA60mg/m2/dayの経口投与を開始した.投与64日で完全寛解を得た.末梢血像, 骨髄像, および末梢血フローサイトメトリーにてATRAによる白血病細胞の分化過程が観察できた.本症例は染色体分析にてt (15;17) が認められた.またDNA分析ではRAレセプターα (RARα) の再構成が認められた.ATRAは副作用も少なく, 小児の急性前骨髄性白血病には非常に有効と考えた....

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 6; no. 5; pp. 493 - 498
Main Authors 島田, 司巳, 多賀, 崇, 杉浦, 康夫, 太田, 茂, 丸尾, 良浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人　日本小児血液・がん学会 1992
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.6.493

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Summary:All-trans retinoic acid (ATRA) により寛解導入に成功した5歳男児急性前骨髄性白血病再発例を報告した・再発後, 化学療法に抵抗性のため両親の承諾を得たうえでAra-C大量療法後ATRA60mg/m2/dayの経口投与を開始した.投与64日で完全寛解を得た.末梢血像, 骨髄像, および末梢血フローサイトメトリーにてATRAによる白血病細胞の分化過程が観察できた.本症例は染色体分析にてt (15;17) が認められた.またDNA分析ではRAレセプターα (RARα) の再構成が認められた.ATRAは副作用も少なく, 小児の急性前骨髄性白血病には非常に有効と考えた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.6.493