高Ca血症および, 肺, 心筋, 脳実質に浸潤がみられた急性巨核芽球性白血病の1例
高カルシウム血症で発症し, 肺, 心筋および脳実質に浸潤を呈した急性巨核芽球性白血病の1乳児例を報告する.症例は生後4カ月の女児で, 入院時血清Caは16.8mg/dlであった.全身骨X線写真は, 著しい骨融解像を示した.また, 胸部X線およびCTにて両肺にび慢性浸潤陰影を, 心エコーにて左房内に腫瘤を認めた.化学療法により, 血清Caは急速に低下し正常化した.経過中, 脳実質浸潤を示したが, より強力な化学療法にて, 臓器浸潤病変も軽快した.現在, 発症後3年, 治療終了後1年4カ月, 無病生存中である.高カルシウム血症を合併した急性巨核芽球性白血病の報告は過去に2例のみであり, 初発時にみ...
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Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 8; no. 3; pp. 245 - 249 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
1994
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ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.8.245 |
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Summary: | 高カルシウム血症で発症し, 肺, 心筋および脳実質に浸潤を呈した急性巨核芽球性白血病の1乳児例を報告する.症例は生後4カ月の女児で, 入院時血清Caは16.8mg/dlであった.全身骨X線写真は, 著しい骨融解像を示した.また, 胸部X線およびCTにて両肺にび慢性浸潤陰影を, 心エコーにて左房内に腫瘤を認めた.化学療法により, 血清Caは急速に低下し正常化した.経過中, 脳実質浸潤を示したが, より強力な化学療法にて, 臓器浸潤病変も軽快した.現在, 発症後3年, 治療終了後1年4カ月, 無病生存中である.高カルシウム血症を合併した急性巨核芽球性白血病の報告は過去に2例のみであり, 初発時にみられたもの, および小児例の報告はない.また, 本症例は, 臓器浸潤が認められ, 剖検によってではなく, その治療経過を画像によって追跡できた, 貴重な症例である. |
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ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.8.245 |