小児急性リンパ性白血病の治療研究 : 予後良好群における頭蓋放射線照射削除の試み : CCLSG-L874, I874プロトコールの成績
CCLSG-874プロトコールではLRとIR-ALLにおいて頭蓋照射の是非をCNS白血病予防と全体のEFSを指標として比較対照試験を実施した.1987年から1990年に82例がLR群に, 109例がIR群に登録された.両群とも寛解導入後, 18Gy頭蓋照射+MTXit群とHD・MTX+MTXit群に無作為に振り分けられた.維持療法は同一とした.中央値39ヵ月 (14~58ヵ月) の経過観察で, 血液学的再発は両者に有意差はなかった.CNS単独再発はL874MTX群で3/39例, 1874MTX群で2/54例と, 頭蓋照射群 (L874で1/43例, 1874で0/55例) より多かったが有意差...
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Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 6; no. 5; pp. 446 - 454 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
1992
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Subjects | |
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ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.6.446 |
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Summary: | CCLSG-874プロトコールではLRとIR-ALLにおいて頭蓋照射の是非をCNS白血病予防と全体のEFSを指標として比較対照試験を実施した.1987年から1990年に82例がLR群に, 109例がIR群に登録された.両群とも寛解導入後, 18Gy頭蓋照射+MTXit群とHD・MTX+MTXit群に無作為に振り分けられた.維持療法は同一とした.中央値39ヵ月 (14~58ヵ月) の経過観察で, 血液学的再発は両者に有意差はなかった.CNS単独再発はL874MTX群で3/39例, 1874MTX群で2/54例と, 頭蓋照射群 (L874で1/43例, 1874で0/55例) より多かったが有意差はなかった.4年EFSはL874頭蓋照射群で81.1±7.6% (平均±SE), L874MTX群で75.2±7, 9%, さらに1874頭蓋照射群で70.0±13.6%, 1874MTX群で70.0±9.0%であり有意差はなかった.この結果から, 今後の経過観察が必要なものの, HD-MTX+MTXitは頭蓋照射に劣らず有効であろうと思われた.なおこれまでのCCLSGプロトコールの解析から, high-risk群を含んだ全ALLのEFSは, 811プロトコールが44.2±3.6%, 841プロトコールが, 53.1±3.5%, そして本研究の874プロトコールが65.5±3.6%と徐々に上昇していることがわかった. |
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ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.6.446 |