CD2, CD19陽性biphenotypic leukemia症例報告と文献的考察
T cellマーカーであるCD 2とB cellマーカーであるCD19が同一細胞で陽性のbiphenotypicALLの一例を報告した.症例は12歳男児で, 腹痛と発熱で発症し, 鼠径リンパ節腫脹を主訴に来院した。理学所見上, 頸部, 腋窩, 鼠径部に著明なリンパ節腫脹を認め, 末梢白血球数5,000/μl, 芽球58.0%で, 骨髄では大小のリンパ芽球様細胞が97.5%を占めた.骨髄細胞表面抗原の2カラー分析では, CD2, CD19が同一細胞で陽性で, 遺伝子解析ではIgH, TCR-βの再構成が認められた.また, 腹部CTでは, 著明な大動脈周囲のリンパ節腫脹を認めた.High risk...
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Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 6; no. 3; pp. 275 - 279 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
1992
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Subjects | |
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ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.6.275 |
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Summary: | T cellマーカーであるCD 2とB cellマーカーであるCD19が同一細胞で陽性のbiphenotypicALLの一例を報告した.症例は12歳男児で, 腹痛と発熱で発症し, 鼠径リンパ節腫脹を主訴に来院した。理学所見上, 頸部, 腋窩, 鼠径部に著明なリンパ節腫脹を認め, 末梢白血球数5,000/μl, 芽球58.0%で, 骨髄では大小のリンパ芽球様細胞が97.5%を占めた.骨髄細胞表面抗原の2カラー分析では, CD2, CD19が同一細胞で陽性で, 遺伝子解析ではIgH, TCR-βの再構成が認められた.また, 腹部CTでは, 著明な大動脈周囲のリンパ節腫脹を認めた.High risk groupのALLに対する当科のプロトコールに従って治療を開始したところ, 芽球は速やかに消失し, リンパ節腫脹も著明に改善した.18ヵ月後の現在, 維持療法中であるが, 寛解状態を維持している. |
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ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.6.275 |