慢性関節リウマチに対するTS-110の長期投与試験

慢性関節リウマチに対するTS-110長期投与時の臨床的有用性をオーブン試験により検討した. (1) 総投与例数は134例であり, 12週以上投与104例 (77.6%) , 24週以上投与78例 (58.2%) , 48週投与27例 (20.1%) であった. (2) 各臨床評価項目を各症例の最終評価日において試験開始時と比較し, 疼痛および腫眼関節数, 関節点数, 疼痛点数で有意な改善が認められた. (3) 患者の満足度における「満足」以上の割合は, 24週後では17.1% (12/70例) , 32週後以降はいずれも20%以上でほぼ一定であり, 48週後では25.9% (7/27例) であ...

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Published in炎症・再生 Vol. 21; no. 3; pp. 273 - 307
Main Authors 水島, 裕, 延永, 正, 市川, 陽一, 長屋, 郁郎, 菅原, 幸子, 廣畑, 和志, 柏崎, 禎夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本炎症・再生医学会 2001
日本炎症・再生医学会
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ISSN1346-8022
1880-5795
DOI10.2492/jsir.21.273

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Summary:慢性関節リウマチに対するTS-110長期投与時の臨床的有用性をオーブン試験により検討した. (1) 総投与例数は134例であり, 12週以上投与104例 (77.6%) , 24週以上投与78例 (58.2%) , 48週投与27例 (20.1%) であった. (2) 各臨床評価項目を各症例の最終評価日において試験開始時と比較し, 疼痛および腫眼関節数, 関節点数, 疼痛点数で有意な改善が認められた. (3) 患者の満足度における「満足」以上の割合は, 24週後では17.1% (12/70例) , 32週後以降はいずれも20%以上でほぼ一定であり, 48週後では25.9% (7/27例) であった. また, 医師の症状改善度評価における「改善」以上の割合は, 24週後では32.4% (23/71例) , 24週後以降はいずれも30%以上であり, 48週後では34.6% (9/26例) であった. (4) 全般改善度における「改善」以上の改善率は, 24週では32.9% (23/70例) , 48週では37.0% (10/27例) であり, 最終評価日では29.8% (34/114例) であった. (5) 副作用は, 129例中40例 (31.0%) で63件認められ, いずれも軽度または中等度であった.なお, 治験薬剤との関連性が否定できない臨床検査値の異常変動は, いずれも副作用として扱われた. 発現率は, 投与期間に伴い高くなることはなく, また, 副作用の種類においても, 投与期間が長くなることに伴い, 特に異なるものは認められなかった. (6) 概括安全度における「安全である」の症例の割合 (安全率) は, 24週では85.9% (61/71例) , 48週では88.9% (24/27例) , 最終評価日では69.0% (89/129例) であった. (7) 有用度における「有用」以上の有用率は, 24週では35.7% (25/70例) , 48週では40.7% (11/27例) , 最終評価日では26.0% (32/123例) であった. これらのことから, TS-110の慢性関節リウマチに対する長期投与における有効性面, 安全性面はいずれも良好であり, 臨床的に有用な薬剤であると考えられる.
ISSN:1346-8022
1880-5795
DOI:10.2492/jsir.21.273