新しい薄膜発光分析法に関する研究

発光反応の新しい分析法として反応槽をゼラチンの薄膜状として検出反応を行う測定装置を開発した. 本装置の有用性を確認するため, モデル系としてクレアチンキナーゼ (CK) の活性測定条件について検討し, クレアチンリン酸50mM, ADP5mM, DTT40mM, Mg2+20mM, ジアデノシンペンタホスフェート3.2mMおよびルシフェリン-ルシフェラーゼ15%を含む薄膜中で測定するCKの新しい活性測定条件を確立した. この方法を用いると0.5~250mU/mlのCK活性値が定量的に測定でき測定精度もCV4.2~4.9%と比較的優れていることがわかった. また, 血清中の共存成分の影響について...

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Published in生物物理化学 Vol. 34; no. 1; pp. 33 - 41
Main Authors 今井, 利夫, 眞下, 郁雄, 櫻林, 郁之介, 吉田, 光孝, 降矢, 震
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本電気泳動学会 1990
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ISSN0031-9082
1349-9785
DOI10.2198/sbk.34.33

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Summary:発光反応の新しい分析法として反応槽をゼラチンの薄膜状として検出反応を行う測定装置を開発した. 本装置の有用性を確認するため, モデル系としてクレアチンキナーゼ (CK) の活性測定条件について検討し, クレアチンリン酸50mM, ADP5mM, DTT40mM, Mg2+20mM, ジアデノシンペンタホスフェート3.2mMおよびルシフェリン-ルシフェラーゼ15%を含む薄膜中で測定するCKの新しい活性測定条件を確立した. この方法を用いると0.5~250mU/mlのCK活性値が定量的に測定でき測定精度もCV4.2~4.9%と比較的優れていることがわかった. また, 血清中の共存成分の影響については, ヘモグロビンが250mg/dl以上共存すると正誤差を示したが, クレアチニン, グルコースおよびビリルビンについては影響が認められなかった. 本法は, 生物および化学発光反応の新しい検出装置として十分応用できることが明らかとなった.
ISSN:0031-9082
1349-9785
DOI:10.2198/sbk.34.33