ヒト白血球抗原 (HLA) 遺伝子の制限断片長多型 (RFLP) 解析による歯周病病態の分子生物学的研究

Polymorphism in periodontitis, Disease marker, HLA, RFLP analysis, Gene diagnosis要旨: 免疫応答に重要なヒト白血球抗原 (HLA) クラスIIβ 鎖遺伝子の多型解析で遺伝子変異を検出し, それが特定の歯周病のマーカーとなる可能性を探求することを目的とした。 日本人の歯周病患者70名および歯周組織が健康な26名のHLAフェノタイプを補体依存性細胞障害試験で同定し, HLAフェノタイプの検出頻度を調べた。しかし, 患者に特徴的なHLAフェノタイプは見出せなかった。そこで, HLAの微細な差異を検出するため, 歯周病患...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 32; no. 2; pp. 386 - 401
Main Author 高柴, 正悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1990
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.32.386

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Summary:Polymorphism in periodontitis, Disease marker, HLA, RFLP analysis, Gene diagnosis要旨: 免疫応答に重要なヒト白血球抗原 (HLA) クラスIIβ 鎖遺伝子の多型解析で遺伝子変異を検出し, それが特定の歯周病のマーカーとなる可能性を探求することを目的とした。 日本人の歯周病患者70名および歯周組織が健康な26名のHLAフェノタイプを補体依存性細胞障害試験で同定し, HLAフェノタイプの検出頻度を調べた。しかし, 患者に特徴的なHLAフェノタイプは見出せなかった。そこで, HLAの微細な差異を検出するため, 歯周病患者15名および健康者5名について, RLAクラスIIβ 鎖遺伝子の制限断片長多型 (RFLP) 解析を行なった。その結果, 一部の患者に特徴的なHLA-DQβ 鎖遺伝子の変異を検出した。また・ポリメラーゼチェインリアクション (PCR) 法を用いて増幅したDNAを用いることによっても, その変異を検出できた。 以上の結果は, 遺伝子変異を歯周病の病態マーカーとして利用し得ることを示唆する。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.32.386