某大学柔道部のTrichophyton tonsurans感染症の集団検診結果とその対策

某大学柔道部員31名,18~23歳について,Trichophyton tonsurans感染症の集団検診を行った.調査項目は,年齢,性別,身長,体重,居住様式,同居者数,運動時間,対戦者数,外国人対戦者の有無,患者から聴取した過去と現在における発疹の有無と時期,診察,真菌検査(KOH法,両面テープ法,真菌培養,hairbrush法)である.その結果,問診で過去に体に皮疹ありと答えた者は24名(77%),過去に頭に皮疹ありと回答したものは8名(26%)であった.診察時に,疑わしい皮疹があったのは11名(35%),うち検鏡・培養陽性3名であった.また,hairbrush法陽性であったのは11名(3...

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Published in日本医真菌学会雑誌 Vol. 45; no. 1; pp. 7 - 12
Main Authors 比留間, 政太郎, 早田, 名保美, 白木, 祐美, 廣瀬, 伸良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医真菌学会 30.01.2004
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ISSN0916-4804
1882-0476
DOI10.3314/jjmm.45.7

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Summary:某大学柔道部員31名,18~23歳について,Trichophyton tonsurans感染症の集団検診を行った.調査項目は,年齢,性別,身長,体重,居住様式,同居者数,運動時間,対戦者数,外国人対戦者の有無,患者から聴取した過去と現在における発疹の有無と時期,診察,真菌検査(KOH法,両面テープ法,真菌培養,hairbrush法)である.その結果,問診で過去に体に皮疹ありと答えた者は24名(77%),過去に頭に皮疹ありと回答したものは8名(26%)であった.診察時に,疑わしい皮疹があったのは11名(35%),うち検鏡・培養陽性3名であった.また,hairbrush法陽性であったのは11名(35%)で,頭に皮疹の有ったものは2名のみで残り9名は皮疹は見られず無症候性キャリアであった.対策として掃除,ミコナゾールシャンプーの使用,疑わしい皮疹には抗真菌剤外用,hairbrush法陽性者には,イトラコナゾール400mg/日の1週間パルス投与を行った.経時的な検診とhairbrush法の経過より,パルス療法を受けた7例中,指示通りに内服した3症例では1回のパルス投与で菌が陰性化することが判明した.
ISSN:0916-4804
1882-0476
DOI:10.3314/jjmm.45.7