当科における鼻副鼻腔悪性腫瘍の頭蓋底進展例に対する手術療法の検討

[目的]鼻副鼻腔悪性腫瘍の頭蓋底進展例に対する頭蓋底手術の成績および安全性,予後因子を検討する。[対象]当院にて2000年から2009年の間に頭蓋底手術を施行した鼻副鼻腔悪性腫瘍症例47例が対象である。[結果]原発部位は上顎洞35例,篩骨洞7例,鼻腔5例であった。5年全粗生存率は59.8%であり,扁平上皮癌症例では74.7%であった。多変量解析の結果,予後不良因子は切除断端陽性であった。術後合併症は35.4%に認められた。[結論]術後成績および合併症は諸家の報告と同様であった。切除断端陽性例は予後不良であり術前評価,手術計画における安全域確保の重要性が改めて示された。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 21; no. 2; pp. 151 - 155
Main Authors 平川, 仁, 神山, 圭史, 長谷川, 泰久, 花井, 信広, 鈴木, 淳志, 水上, 高秀, 小澤, 泰次郎, 原田, 生功磨, 兵藤, 伊久夫, 岡本, 啓希, 宮崎, 拓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2011
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.21.151

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Summary:[目的]鼻副鼻腔悪性腫瘍の頭蓋底進展例に対する頭蓋底手術の成績および安全性,予後因子を検討する。[対象]当院にて2000年から2009年の間に頭蓋底手術を施行した鼻副鼻腔悪性腫瘍症例47例が対象である。[結果]原発部位は上顎洞35例,篩骨洞7例,鼻腔5例であった。5年全粗生存率は59.8%であり,扁平上皮癌症例では74.7%であった。多変量解析の結果,予後不良因子は切除断端陽性であった。術後合併症は35.4%に認められた。[結論]術後成績および合併症は諸家の報告と同様であった。切除断端陽性例は予後不良であり術前評価,手術計画における安全域確保の重要性が改めて示された。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.21.151