気胸の原因が胸膜直下のリウマトイド結節と考えられた悪性関節リウマチの1例

気胸の原因が胸膜直下のリウマトイド結節と考えられた悪性関節リウマチ(MRA)の1例を経験した.症例は56歳男性. 42歳RA発症. 55歳関節症状増悪,高熱両眼充血,両側胸水,左肺のcoin lesion様陰影出現し某院入院.両側気胸の出現を認め精査のため転院.上強膜炎,胸膜炎,心嚢液の貯留,骨X線上で骨の著明な破壊,高度の炎症所見,血清補体価の低値を呈しMRAと診断.両側気胸については胸腔持続脱気,胸膜癒着術を施行するも改善がみられず,右気胸の悪化に対し右肺剥皮術施行.術中所見で右下葉に黄色結節が散在性にみられ病理組織像ではリンパ球,組織球,巨細胞を伴う凝固壊死巣を認めた.臨床経過からもリウ...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 8; no. 4; pp. 198 - 206
Main Authors 武田, 智, 深澤, 泰子, 益山, 純一, 畠山, 牧男, 隅谷, 護人, 狩野, 庄吾, 福村, 基之, 倉富, 雄四郎, 吉良, 枝郎, 武, 彰, 羽田, 圓城, 青沼, 孝徳, 二ノ村, 信正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 1985
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Summary:気胸の原因が胸膜直下のリウマトイド結節と考えられた悪性関節リウマチ(MRA)の1例を経験した.症例は56歳男性. 42歳RA発症. 55歳関節症状増悪,高熱両眼充血,両側胸水,左肺のcoin lesion様陰影出現し某院入院.両側気胸の出現を認め精査のため転院.上強膜炎,胸膜炎,心嚢液の貯留,骨X線上で骨の著明な破壊,高度の炎症所見,血清補体価の低値を呈しMRAと診断.両側気胸については胸腔持続脱気,胸膜癒着術を施行するも改善がみられず,右気胸の悪化に対し右肺剥皮術施行.術中所見で右下葉に黄色結節が散在性にみられ病理組織像ではリンパ球,組織球,巨細胞を伴う凝固壊死巣を認めた.臨床経過からもリウマトイド結節と老えられ,気胸はリウマトイド結節の凝固壊死巣が空洞化して胸腔へ穿孔して生じたと考えれた.本邦においては報告はなくRAの肺胸膜病変として注目すべき症例と考えられた.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.8.198