副耳下腺に発生した粘表皮癌の1例

副耳下腺は主耳下腺より独立して耳下腺前部および咬筋上部に位置する異所性の唾液腺である。副耳下腺の出現する割合は成人の約20~70%と報告されているが,そこから発生する腫瘍は比較的まれである。症例は66歳男性。5年前から左頬部腫瘤を自覚していたが,徐々に増大傾向にあるため近医を受診した。同院で切開生検が施行され,粘表皮癌の診断にて当科を紹介されて受診した。左頬部皮下に34×23mmの腫瘤を認め,画像所見などから副耳下腺由来の悪性腫瘍を疑い,手術を施行した。副耳下腺腫瘍における悪性腫瘍の割合は主耳下腺のそれより高く,頬部皮下に発生する腫瘍は,副耳下腺腫瘍の可能性を考慮する必要がある。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 21; no. 2; pp. 185 - 190
Main Authors 鈴木, 健介, 篠崎, 剛, 林, 隆一, 海老原, 充, 宮崎, 眞和, 大幸, 宏幸, 斎川, 雅久, 藤井, 誠志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2011
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Summary:副耳下腺は主耳下腺より独立して耳下腺前部および咬筋上部に位置する異所性の唾液腺である。副耳下腺の出現する割合は成人の約20~70%と報告されているが,そこから発生する腫瘍は比較的まれである。症例は66歳男性。5年前から左頬部腫瘤を自覚していたが,徐々に増大傾向にあるため近医を受診した。同院で切開生検が施行され,粘表皮癌の診断にて当科を紹介されて受診した。左頬部皮下に34×23mmの腫瘤を認め,画像所見などから副耳下腺由来の悪性腫瘍を疑い,手術を施行した。副耳下腺腫瘍における悪性腫瘍の割合は主耳下腺のそれより高く,頬部皮下に発生する腫瘍は,副耳下腺腫瘍の可能性を考慮する必要がある。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.21.185