ペインクリニックにおける帯状疱疹患者の予後について

当ペインクリニックを受診した最近7年間の帯状疱疹罹患例のうち, 発症1ヵ月以内に神経ブロックを開始した233例中, 調査可能な188例について, アンケート調査を行い, 回答を得た124例について, その結果と診療録より予後の分析を行なった. その結果, 発症後かなり早期から神経ブロックを行なったにもかかわらず, 痛みの残存する例が約21%あり, そして, 一度無痛を得た後に, 痛みが再発する例があることがわかつた. 帯状疱疹後神経痛を予防するためには, 発症早期から神経ブロックを開始するのみならず, 神経ブロックを中止する時期を慎重に選ぶ必要があり, 一度無痛を得た後も, すくなくとも1週間...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 3; no. 1; pp. 63 - 70
Main Authors 竹中, 葵, 金山, 利吉, 小川, 節郎, 田井, 光輝, 斉藤, 英夫, 小林, 照和, 牛尾, 剛士, 中島, 俊江, 鈴木, 太
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床麻酔学会 1983
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Summary:当ペインクリニックを受診した最近7年間の帯状疱疹罹患例のうち, 発症1ヵ月以内に神経ブロックを開始した233例中, 調査可能な188例について, アンケート調査を行い, 回答を得た124例について, その結果と診療録より予後の分析を行なった. その結果, 発症後かなり早期から神経ブロックを行なったにもかかわらず, 痛みの残存する例が約21%あり, そして, 一度無痛を得た後に, 痛みが再発する例があることがわかつた. 帯状疱疹後神経痛を予防するためには, 発症早期から神経ブロックを開始するのみならず, 神経ブロックを中止する時期を慎重に選ぶ必要があり, 一度無痛を得た後も, すくなくとも1週間以上, 神経ブロックを継続することが必要であると考えた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.3.63