後縦隔ミュラー管嚢胞の3切除例

後縦隔ミュラー管嚢胞は女性の傍脊柱部に発生する嚢胞性疾患であり,報告例は比較的少数でまれな疾患とされている。われわれは,後縦隔ミュラー管嚢胞の3切除例を経験した。症例1は42歳の女性であり,当科術後に右卵巣内膜症性嚢胞を指摘されている。症例2は既往疾患のない34歳女性,症例3は既往疾患のない低用量ピルの内服歴がある40歳女性であった。いずれの症例も胸腔鏡下に嚢胞性病変を摘出し,免疫染色の結果,後縦隔ミュラー管嚢胞の診断となった。当施設での結果から後縦隔ミュラー管嚢胞はまれな疾患ではない可能性が示唆された。また,1症例において後縦隔ミュラー管嚢胞と抗ミュラー管ホルモン(Anti-Mulleria...

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Published in四国医学雑誌 Vol. 80; no. 1.2; pp. 63 - 68
Main Authors 日野, 弘之, 本田, 純子, 先山, 正二, 南城, 和正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 徳島医学会 21.06.2024
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ISSN0037-3699
2758-3279
DOI10.57444/shikokuactamedica.80.1.2_63

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Summary:後縦隔ミュラー管嚢胞は女性の傍脊柱部に発生する嚢胞性疾患であり,報告例は比較的少数でまれな疾患とされている。われわれは,後縦隔ミュラー管嚢胞の3切除例を経験した。症例1は42歳の女性であり,当科術後に右卵巣内膜症性嚢胞を指摘されている。症例2は既往疾患のない34歳女性,症例3は既往疾患のない低用量ピルの内服歴がある40歳女性であった。いずれの症例も胸腔鏡下に嚢胞性病変を摘出し,免疫染色の結果,後縦隔ミュラー管嚢胞の診断となった。当施設での結果から後縦隔ミュラー管嚢胞はまれな疾患ではない可能性が示唆された。また,1症例において後縦隔ミュラー管嚢胞と抗ミュラー管ホルモン(Anti-Mullerian Hormone ; AMH)との関連を検討したので,文献的考察を加え報告する。
ISSN:0037-3699
2758-3279
DOI:10.57444/shikokuactamedica.80.1.2_63