論文 地震時における車両からの著大横圧に対する新幹線スラブ軌道のレールの抵抗特性および軌道部材の破壊性状

新幹線の地震対策が進む一方,逸脱対策等により軌道に作用する横圧の著大化が懸念されるが,地震時横圧に対するレールの抵抗特性,軌道部材の破壊性状に関する知見は少ない.本研究では,地震時における車両からの著大横圧に対する新幹線スラブ軌道のレールの抵抗特性および軌道部材の破壊性状を把握することを目的に,実物大の新幹線スラブ軌道を試験体として,レールの頭部及び底部に対する水平載荷試験を行った.その結果,レール頭部に載荷した場合にはレール小返り挙動が卓越し,最終的にはレールが板ばねから脱離した.また,レール底部に載荷した場合にはアンカーボルトが破断した.加えて,載荷試験後の軌道スラブの埋込栓の引抜強度を評...

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Published in鉄道工学シンポジウム論文集 Vol. 29; no. 1; pp. 203 - 210
Main Authors 弟子丸 将, 成田 顕次, 後藤 恵一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 構造工学委員会 鉄道工学連絡小委員会 2025
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ISSN2759-1492
DOI10.11532/railwayengineering.29.1_203

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Summary:新幹線の地震対策が進む一方,逸脱対策等により軌道に作用する横圧の著大化が懸念されるが,地震時横圧に対するレールの抵抗特性,軌道部材の破壊性状に関する知見は少ない.本研究では,地震時における車両からの著大横圧に対する新幹線スラブ軌道のレールの抵抗特性および軌道部材の破壊性状を把握することを目的に,実物大の新幹線スラブ軌道を試験体として,レールの頭部及び底部に対する水平載荷試験を行った.その結果,レール頭部に載荷した場合にはレール小返り挙動が卓越し,最終的にはレールが板ばねから脱離した.また,レール底部に載荷した場合にはアンカーボルトが破断した.加えて,載荷試験後の軌道スラブの埋込栓の引抜強度を評価した結果,全ての埋込栓でJIS規格値を上回った.
ISSN:2759-1492
DOI:10.11532/railwayengineering.29.1_203