陽イオン交換分離-アルセナゾIII光度法によるジルコニウム及びその合金中のこん跡ウランの定量

フッ化水素酸溶液中ではウラン,ジルコニウムともフッ化物陰イオン錯体を形成するが,これにホウ酸を加えるとフッ化物イオン濃度が低減するためウランはフッ化物陽イオン錯体となる.又,フルオロホウ酸イオンが解離するので,フッ化物イオン濃度はジルコニウム濃度に影響されず,常に一定である.これらを利用して多量ジルコニウムからのこん跡ウランの陽イオン交換分離法を確立した.又,同法をジルカロイ標準試料及び原子炉燃料被覆管の分析に適用するための諸検討を行った.確立した方法を10分析所で追試した結果,試料2g中の1ppmレベルのウランを相対標準偏差10%で定量できることが分かった....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in分析化学 Vol. 33; no. 1; pp. 11 - 15
Main Authors 安達, 武雄, 吉田, 秀世, 井澤, 君江, 木原, 壯林, 橋谷, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 1984
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:フッ化水素酸溶液中ではウラン,ジルコニウムともフッ化物陰イオン錯体を形成するが,これにホウ酸を加えるとフッ化物イオン濃度が低減するためウランはフッ化物陽イオン錯体となる.又,フルオロホウ酸イオンが解離するので,フッ化物イオン濃度はジルコニウム濃度に影響されず,常に一定である.これらを利用して多量ジルコニウムからのこん跡ウランの陽イオン交換分離法を確立した.又,同法をジルカロイ標準試料及び原子炉燃料被覆管の分析に適用するための諸検討を行った.確立した方法を10分析所で追試した結果,試料2g中の1ppmレベルのウランを相対標準偏差10%で定量できることが分かった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.33.11