第9回心臓性急死研究会 院外心室細動での心拍再開の検討
1992年4月より,救命救急士到着時心室細動を確認し当院救急外来で処置した内因性の心肺停止例121例を対象とした.心拍再開したものをA群,心拍非再開をB群の二つに分類した.心室細動時の波形による10拍を平均した振幅と細動周期,電気的除細動回数と総エネルギー数,当院来院時の動脈血液ガス(pH,pCO2,pO2,BE),血清K値,乳酸値,そして発症からCPR(cardiopulmonary resuscitation)までの時間を検討した.A群は121例中27例(22 .3%)で心拍再開し入院となったが,B群は94例(77.7%)であった.心室細動時の波形による細動周期では有意差はなかったが,A群...
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Published in | 心臓 Vol. 29; no. Supplement5; pp. 3 - 6 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1997
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.29.Supplement5_3 |
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Summary: | 1992年4月より,救命救急士到着時心室細動を確認し当院救急外来で処置した内因性の心肺停止例121例を対象とした.心拍再開したものをA群,心拍非再開をB群の二つに分類した.心室細動時の波形による10拍を平均した振幅と細動周期,電気的除細動回数と総エネルギー数,当院来院時の動脈血液ガス(pH,pCO2,pO2,BE),血清K値,乳酸値,そして発症からCPR(cardiopulmonary resuscitation)までの時間を検討した.A群は121例中27例(22 .3%)で心拍再開し入院となったが,B群は94例(77.7%)であった.心室細動時の波形による細動周期では有意差はなかったが,A群の振幅(0.9±0.3mV)はB群(0.5±0.3mV)に比し有意(p<0.005)に大きかった.電気的除細動回数(A群L8±0.8回,B群1.1.3±0.5回)と総エネルギー数(A群425±226J,B群300±148J)は2群間で有意差はなかった.動脈血ガス,血清K値,乳酸値でも有意差はみられなかった.発症からCPRまでの時間はA群で7.4±6.9分,B群で10.4±6.8分であった(p<0.05).心停止からCPR開始までの時間と心室細動の振幅,周期の相関関係でも軽度の逆相関(p<0.05)を認めた.以上より心室細動時の振幅が大であり,心肺停止時間が短いほど除細動の成功率が高かった.したがって,救急現場での早急かつ適切な心肺蘇生が肝要である. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.29.Supplement5_3 |