下咽頭癌に対するTransoral Videolaryngoscopic Surgery (TOVS) の適応と限界

下咽頭癌に対する経口的切除の適応と限界について解説を行った.下咽頭癌に対するTOVSの適応として以下のものが挙げられる.T分類ではTis-T2,一部のT3病変,N分類ではN2までが良い適応である.局所進行癌に対しては導入化学療法とTOVSを組み合わせた治療も可能である.手術解剖から見ると腫瘍の周在性としては1/2周程度までの病変で甲状軟骨,舌骨,輪状軟骨への浸潤がないものが適応である.年齢的な限界としては80歳代でも可能な症例もあるが,嚥下障害に注意を要する.Salvage,既照射例に関してはrT2病変までであるが合併症を生じやすく適応判断および術後管理には慎重な対応が必要である....

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 31; no. 1; pp. 45 - 50
Main Authors 塩谷, 彰浩, 宇野, 光祐, 田中, 伸吾, 荒木, 幸仁, 冨藤, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2018
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.31.45

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Summary:下咽頭癌に対する経口的切除の適応と限界について解説を行った.下咽頭癌に対するTOVSの適応として以下のものが挙げられる.T分類ではTis-T2,一部のT3病変,N分類ではN2までが良い適応である.局所進行癌に対しては導入化学療法とTOVSを組み合わせた治療も可能である.手術解剖から見ると腫瘍の周在性としては1/2周程度までの病変で甲状軟骨,舌骨,輪状軟骨への浸潤がないものが適応である.年齢的な限界としては80歳代でも可能な症例もあるが,嚥下障害に注意を要する.Salvage,既照射例に関してはrT2病変までであるが合併症を生じやすく適応判断および術後管理には慎重な対応が必要である.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.31.45