エアロゾル研究に求められるもの —エアロゾル療法のデバイスについて

エアロゾル療法は多くの耳鼻咽喉科で行われている有効で安全な局所薬物療法である。どのようにして目的部位にエアロゾル化された薬剤を到達させるかが最大の課題である。 慢性副鼻腔炎に対するエアロゾル療法の有効性を高めるためにはエアロゾル発生装置であるネブライザー器具装置の性能, 仕様は重要である。エアロゾル気流動態, 粒子径, 加圧振動の付加などの観点からネブライザー機器について検証した。 具体的には以下のような点に留意しなければならない。 (1)鼻毛に邪魔されずエアロゾル粒子を鼻腔に運び, 層流を乱流にして中鼻道, 鼻腔粘膜表面にエアロゾル粒子を密接させる, (2)中鼻道に広く分布し, 副鼻腔自然口...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 54; no. Supplement1; pp. s38 - s42
Main Author 大越, 俊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 2011
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Summary:エアロゾル療法は多くの耳鼻咽喉科で行われている有効で安全な局所薬物療法である。どのようにして目的部位にエアロゾル化された薬剤を到達させるかが最大の課題である。 慢性副鼻腔炎に対するエアロゾル療法の有効性を高めるためにはエアロゾル発生装置であるネブライザー器具装置の性能, 仕様は重要である。エアロゾル気流動態, 粒子径, 加圧振動の付加などの観点からネブライザー機器について検証した。 具体的には以下のような点に留意しなければならない。 (1)鼻毛に邪魔されずエアロゾル粒子を鼻腔に運び, 層流を乱流にして中鼻道, 鼻腔粘膜表面にエアロゾル粒子を密接させる, (2)中鼻道に広く分布し, 副鼻腔自然口から入るための粒子径, (3)鼻腔, 副鼻腔の圧力の変化を大きくし副鼻腔への侵入をはかる, などが挙げられる。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.54.s38